高校1年生 VI

ここでは寮の話

私が住む寮は
3年生が神様
2年生が人間
1年生が奴隷
と呼ばれていました

寮は3階建てで
3階に3年生
2階に1年生
1階に2年生
そして通路の両サイドに寮管理人が住みます

その寮管理人は元警察の方や元刑務所職員の出身が住んでいました
寮の自治は3年生が握り、寮の管理人は本当の意味で管理だけでした

寮の2階に何故1年生が住むのには理由があります
それは脱走防止の為で
この辺は公共の交通機関と連携を取っており
脱走者はすぐに保護?され送り返されるので外出には許可書が要ります
また町から出ることは許されないので長期の休みの時だけ特別に許されます
まさに刑務所(笑)

まず入寮には儀式があり
各3年生が下の階の1年生に窓の外からバケツを下ろし
お金とお菓子や食べ物を入れるように強制します
その後で2年生が1年生の部屋に来て余ったモノを漁りに来るのです
3年生がバケツを下ろした時に素直に出さない人はここでバレ
バレた者は寮から脱走し真っ暗な道を歩いて
60km以上離れた隣町まで逃げなくてはなりません

寮生活は6時に起床し点呼を取ります
点呼を取るのは寮管の立会いの元3年生の係が取るので
1秒でも遅れることは許されません
そして掃除が始まります
掃除はグループがあり3年生2人、2年生3~4人、1年生6人~7人
で構成され与えられた場所で掃除をします
3年生は管理、2年生はホウキ、1年生は雑巾と言う役割で
真冬の-10度の中でも水で拭き掃除です
朝食もグループに分かれていて点呼を取り
その後、学校へ登校します
昼食も朝食と同じように点呼を取り
学校が終わればクラブへ行く者、外出する者に分かれます
6時に夕食が始まるので夕食までは何があっても帰って来なければなりません
そして夕食も同様に点呼を取ります
そこで食事の準備は1年生がしなければなりません
2・3年生の食事中の給仕もです
だから御飯のお代わりなどは許されず1年生は常に空腹でいます
そして消灯が9時でその際も点呼を取り
部屋の電源が切られます

それが当たり前だったのです

私は途中で入ったことと
3年生の人に有名(教育係を殴った過去)だったので
荷物を取られることがなかった
と言うよりも有名になった理由からかなり3年生からは可愛がってもらった
夏休みが過ぎれば3年生はタバコや酒が許されて
(先生・寮管理人は仕返しが怖くて注意出来ない)
冬場の寒い時期は酒を飲みに遊びに行っていたぐらいだった
しかし後のことは1年生だから条件は同じである
何故なら示しが付かなくなるからである

私は寮に移ったことで保証人の処には
アルバイトと言う形で土日仕事が出来るようになりました
一日5000円貰えます
月20000円から2倍に収入が増えました

しかし!

私の本当の仕事は長期休み中だったのです


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